感動を誘う映画作品集

エミリー・ローズ

次に紹介する作品は1976年にドイツで発生したアンネリーゼ・ミシェルの保護責任者遺棄致死事件を題材に製作された映画作品となっている。そもそも事件の概要としては、アンネリーゼ・ミシェルという少女が病気だと診断され、長年治療していたが改善することなく、その後の異常行動からカトリック教会教区より、正式に「悪魔憑き』と認定される。悪魔祓いを実施中に栄養失調などで彼女が死亡したため、裁判となったというのが事件の内容となっている。

悪魔祓いの様子が写真や録音で商才に残っていたこと、その後に神父が法廷で裁かれて、悪霊の仕業であるか、精神病であったのかが、法廷の論争となったこと、さらには悪魔祓いの様子が一部TV番組や、インターネットなどで公開されたこと、この少女が美人で敬虔なクリスチャンであったことなどから、世間の注目を浴びることになる。

日本の場合では『エミリー・ローズ』の宣伝コマーシャルを見て、ほとんどの人たちが『エクソシスト』系のオカルト・ホラー映画だと認識していたが、大半の場面は法廷での物語展開となっている。怖い部分が妙にピックアップされていたことから、恐怖映画という印象が強くなったために、劇場で怖いもの見たさで訪れた人たちは予想していなかった物語展開に唖然としたという。法廷で気という意味では実話を基にしていると考えられるが、これが悪魔憑きということに対して確証があるという実話だというが、少し疑わしいように思えるのは気のせいだろうか。

真実は小説より奇なり!

あらすじ

ではここで簡単にあらすじを説明してみよう。

何一つ不自由のない暮らしで、奨学金も給付されて大学に進学したエミリー・ローズは何事もなく安定した生活を送っていた。しかしある番、大学の寮で眠っていたところで奇妙な現象に襲われる。真夜中の午前3時、焦げ臭い匂いで目を覚ました彼女は突如として何かに押さえつけられるようにしてもがき苦しみだす。

その夜を境に、エミリーは厳格・幻聴にさいなまれるようになり、遂には発狂してしまう。医学的な治療を行なっても直る兆しが全くないことから彼女は、この症状は悪魔の仕業だと確信する。地元の地区神父であるムーア神父に助けを求める。神父も事態を重く見て彼女を救うべく、祈りによって悪魔との対決を試みるものの、結果は失敗に終わり、エミリーは死亡してしまう。当然のことながら、悪魔の存在が信じられることはなく、彼女の死はムーア神父によるものだという疑いがかけられるようになり、神父は裁判にかけられてしまうのだった。彼女が本当に悪魔に憑かれていたのかどうか、それは誰にも分からなかった。

キャスト

エミリー・ローズ
  • 演:ジェニファー・カーペンター
エリン・ブルナー弁護士
  • 演:ローラ・リニー
ムーア神父
  • 演:トム・ウィルキンソン
イーサン・トマス
  • 演:キャンベル・スコット
カール・ガンダーソン
  • 演:コルム・フィオール
ジェイソン
  • 演:ジョシュア・クローズ
ブリュースター判事
  • 演:メアリー・ベス・ハート
ブリッグズ
  • 演:ヘンリー・ツェニー
アダニ
  • 演:ショーレ・アグダシュルー
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スタッフ

監督
  • スコット・デリクソン
脚本
  • ポール・ハリス・ボードマン
  • スコット・デリクソン
製作
  • ポール・ハリス・ボードマン
  • ボー・フリン
製作総指揮
  • アンドレ・ラマル
  • テリー・マッケイ
  • デヴィッド・マックイルヴェイン
  • ジュリー・ヨーン
音楽
  • クリストファー・ヤング
撮影
  • トム・スターン
編集
  • ジェフ・ベタンコート
製作会社
  • レイクショア・エンターテインメント

彼女に憑いていたと思われる悪魔

さて、実在のアンネリーゼ・ミシェルがモデルとなっているが、この際彼女に悪魔がついていたかどうかという問題については触れないでおこう。誰にも分からない分、話しようがないため、書きようがないためだ。さて。アンネリーゼは教会に赴いたときに祈りを捧げたときに彼女の中にいると思われる悪魔達と邂逅を果たしている。

彼女の中には6体の悪魔が存在しており、その悪魔というのが神話上でもかなりの神格を備えている堕天使や、現実に存在し、非道を働き続けた史実の狂人までもが彼女の中に存在しているといわれていた。

  • ルシファー
  • カイン
  • ユダ
  • ネロ
  • ヴァレンティン・フライシュマン
  • アドルフ・ヒトラー

上記のような悪魔たる者達が取りついていたが、聖母マリアの言葉を悪魔達に言わせたことで介抱されたといわれている。

その後アンネリーゼはマリア様からのお告げを受けていたというが、ある日世界中で悪魔に取り憑かれている人たちのためにも、その身を捧げてはくれないかと頼まれ、彼女はその言葉を受け入れる。その後再び悪魔に取り付かれたアンネリーゼは23歳の若さで命を落としてしまう。

という風に言われているが、胡散臭い話だ。そもそも、ルシファーが取り付いた時点で取りついた人間の人格を支配することなど簡単ではないだろうか。人間の神父が祓っただけで簡単に退散するというのも疑問を抱く展開だ。そして顛末として、聖母マリア様が聖職者としても活動していない一人の少女を、人柱として犠牲になってくれないかという考えも受け入れがたい。

なんにせよ、与太話同然だと決め付けられて神父には過失致死罪として懲役刑、執行刑6ヶ月が言い渡されるのであった。あくまでフィクションだと決め付ければまだ面白みが増すかもしれないが、これを現実のことだと決め付けて作品を評価するのは難しいだろう。科学的な技術が進歩した現代ならば、ある程度のメカニズムは解決できてしまうからだ。キリスト教徒だからこそ真実味を増すような内容に仕立て上げた作品としてなら、まだ作品の評価も変わっていたかもしれない。神父たちに関しても真実であるということをはっきり述べるあたりも疑わしい。こうなると、神父たちが悪魔祓いが出来なかったとしてアンネリーゼを殺害するための口実として考えられた、というように捉えられても仕方ないだろう。